デザインのお仕事をしていると、切っても切れないアプリが存在します。
映像系なのかグラフィック系なのかによっても別れますが、グラフィックデザインをしているのなら「Photoshop」「Illustrator」の2点はまず外せないところです。写真のレタッチなどではPhotoshopの独壇場だと言えるのですが、この記事ではちょっと面倒な髪の毛の切り抜きに関してご紹介してみます。
慣れれば10分程度でできちゃいますよ!
写真から人物を切り抜く
写真のレタッチ(修正や合成)をするとなると、必ず通らなくてはならない道、それが人物の切り抜きです。その中でも、髪の毛の部分はキレイに切り抜くのが結構大変。皆さん困ったりはしていませんか?今回は「1つの方法」としてご紹介します。もちろん、写真によって、素材によって、あるいは人によってベストプラクティスは異なって来ますのでご参考までに。
今回はこの写真です。
どうです?強いウェーブの髪ですので普通に切り抜くのはとても大変で、ちょっとイヤになってしまいそうなものを選びました。
さて、まずは大雑把に切り抜いて行きましょう。
切り抜き方もそれぞれメソッドがあると思いますが、私の場合はPhotoshopのペンツールを使用することが多いです。自動で切り抜く方法もありますが、キレイに境界線を選択できなかったりすることが多かったりするのです。また、ポスターなど大きなアプトプットは結構アラが目立ったりするので、ペンツールを使っています。
髪の毛の部分は、適当です。
切れない程度に、大雑把に選択していきます。
選択し終わったら、不必要な部分は消してしまいます。これで、人物だけが切り抜けました。
髪の毛の切り抜き
ここまではなにも難しいことはありません。次にいよいよ髪の毛の部分に着手します。
わかりやすいようにレイヤーを1つ追加して、色をつけておきます。何色でも良いのですが、濃いめの青を使うことが多いです。ここは好みです。
次に、切り抜いた人物レイヤーを選択しします。レイヤーのサムネイル部分をCommandキー(WindowsならControlキー)を押しながらクリックすると、切り抜いた人物部分が選択され点線で囲まれます。この状態で「選択範囲」から「選択とマスク」をクリックすると、このような修正画面となります。
ここから、「境界線調整ブラシツール」を使って、髪の毛をなぞっていきます。あまり気にせず、大雑把になぞってしまって大丈夫です(その他細かい設定などは画像を参照してください)。全部なぞって髪の毛の周りに色がついたら、
出力先を「レイヤーマスク」にして右下の「OK」ボタンを押します。
これで、ひとまず髪の毛を切り抜くことができました。
切り抜き部分の修正を微調整
このままでは、髪の毛の部分が中途半端になってしまっているので、調整します。
ここで使用するツールは「焼き込みツール」です。焼き込みツールの露光量を強めにして(今回は80%)消えてしまった髪の毛をなぞって行きます。この際、レイヤーはマスクではない方を選択しておきます。そうすると、消えた髪の毛が浮き出て来ます。また、白く残ってしまった余計な部分は、レイヤーマスクの方を選択してなぞると、白い余分な部分が消えるのがわかると思います。
この作業を繰り返し行います。髪の部分をなぞったり白い部分を消したりして、調整し、完成したのが上のスクリーンショットです。
出来映えを確認
では、どんなふうに切り抜けたか背景を夕焼けの写真に差し替えてみましょう。
いかがでしょうか?
細かな部分もきちんと切り抜けています。
一連の流れを動画にもしましたのでご覧ください。
いかがでしたでしょうか?
今回の方法はあくまでも一例で、これがベストではないかもしれません。髪の毛の色などによっても別の方法がよい場合もありますので、まずはいろいろな素材でチャレンジしてみると良いかもしれませんね。もちろん、私たち(株)ドリームクリエイトではこういった写真のレタッチ、修正も取り扱っております。写真を切り抜いて、今回のように全く異なった背景に合成、といったことも可能ですのでもしよければご相談ください。